電気工事業者として仕事を受注するときに交わすのが、請負契約です。
これは、とても大切な契約ですから、省いて工事を請け負ってはいけません。

電気工事業の請負契約

電気工事業者として独立開業し、めでたく会社も設立できて、ここからが本当のスタートです。

 

電気工事業者として、電気工事を受注するときに交わすのが
工事請負契約』です。
この工事請負契約を交わし、かかる電気工事を受注したときに初めて請負契約が成立し、工事代金の支払い契約が結ばれるので、とても大切な契約なので、この契約を省いて直接受注することの無いようにしてください。

電気工事 工事請負契約

電気工事を行うときにまず最初に行うのが見積作業です。
この見積書をもとに、発注者との間で値段交渉を行い、最終的な工事代金を決定します。
しかし、見積=受注ということではなく、ご存知のように合見積などがあり、他社が受注することも珍しいことではありません。

 

それらの段階を潜り抜け、めでたく受注となったときに交わすのが、
工事請負契約』で、この契約書を交わして初めて本受注となります。

 

工事請負契約』は、別の名称で、
工事発注書』という形で作製されることもあります。

 

厳密には、別物なのですが、規模の小さな工事では、工事発注書をもって工事契約とすることもあり、発注書内で工事に関する細かな取り決めがなされます。

 

つまり、この契約書を交わすということは、記載内容を確認し、同意したとみなされるので、その内容は、しっかり確認しておかなくてはなりません。

 

中には、細かな文字で不当に不利な条件が提示されていることもあり、その内容を確認せずに契約を交わしてしまうと、工事代金の減額や支払いの遅延などが発生することも考えておかなくてはならないので、いくら細かな文字でも最初から最後まで内容は確認してください。

 

基本的に、この『工事請負契約書』や『工事発注書』などは、発注者が作成し、双方が1部ずつ持つことになります。

 

ここまで来て初めて本契約ということになり、
工事請負契約書』や『工事発注書』の効力が発布します。

 

工事請負に関する印紙税

見積書を提出して、工事代金の交渉が終わり、電気工事を受注することとなって交わすのが
工事請負契約書』や『工事発注書』だということは、ここまで読んでいただいて、理解いただけたと思います。

 

しかし、『工事請負契約書』や『工事発注書』を有効にするためにもう一つ大切なことがあります。
それは、収入印紙の取扱です。

 

工事請負契約書』や『工事発注書』を受け取ったら、その内容をよく確認し、最後に請け負い金額に見合った印紙を添付して、1枚を発注者に返さなくてはなりません。

 

これを怠ると、印紙税法上の脱税行為として処罰されることになり、重加算税などの対象となることもあるので、この印紙の添付は、忘れないでください。

 

下記に工事請負金額別の印紙を掲載しておきますので、工事請負の参考にしてください。

 

■電気工事請負金額別印紙

 

印紙税額

 

詳しくは、国税庁HPをご覧ください。

 

電気工事での請け負い金額としては、何億円単位の工事など無いに等しく、一般的な電気工事なら、せいぜい1,000万円まででしょう。

 

請け負う電気工事の金額を考えて印紙を用意しておく必要があるので、よく使う印紙は少し多めに購入しておくといいでしょう。

 

また印紙は、領収書発行の際にも必要なので、その辺も確認しておくようにしてください。

 

私の知り合いの電気工事士さんの中には、収入印紙を領収書全てに貼り付けている方がいますが、印紙が必要ない場合もあるので無駄に印紙税を支払うことになってしまうので、やめた方がいいでしょう。

 

そして印紙を添付した際には、必ず消印を押してください。

 

消印は、印紙の模様に掛かるように押印してください。
印紙の模様にかかってないものは、消印として認められません。

 

よく印鑑が無いからボールペンなどで、斜線を入れている方がいますが、あれは印紙税法では消印とは認められないので、お間違いなく。

 

後は、この『工事請負契約書』や『工事発注書』を発注者に届ければ契約は成立です。

 

電気工事に使う工具