金属電線管の支持方法 (2) 壁面編

ハンガーレールを用いた電線管の壁面支持方法
金属電線管の支持方法について、前項では最もポピュラーな両(Ω)サドルとサドルベースを用いた方法を紹介しましたが、このページでは複数の金属電線管を効率的に支持する方法を紹介します。

 

前項の最後でも紹介したように、両(Ω)サドルとサドルベースを用いた方法は、複数の電線管を並べて配管するときには、不向きな支持方法なので、大半の方は、この方法を使ってると思います。

 

またこの方法は、幹線ケーブルなどの支持などにも応用できるので、こちらでその方法を覚えてください。

ハンガーレールとハンガーサドル

電気工事士の間ではハンガーレールと呼ばれていますが、
正式には、『パイプハンガー』と言います。

 

ここで紹介するのは、下の図のようなものですが、同様のものとしてダクトハンガーなどもあります。
どちらを使用するにしても、施工方法は、ほとんど同じなので、ダクトハンガーの施工方法は省略します。
ハンガーレール
ご覧のように、ハンガーレールには、高さ25㎜のものと40㎜のものがあるので、使用する現場の状況を考慮して適時選択してください。

 

ハンガーレールを使った電線管の支持方法は、電気工事士さんが一番多く行っている施工方法だと思います。

 

実際、私も大半をこの方法で施工するので、この方法を紹介します。

 

使用材料

  • ハンガーレール
  • 3分寸切りボルト
  • 3分ナット、ワッシャー
  • PSプレート
  • ハンガーサドル

 

施工手順

  1. 配管経路の確認を行い、全体の寸法をだす。
  2. 水平、垂直をだし、チョークラインで罫書く。
  3.   ※この際、ハンガーレールの天場に罫書くこと!

  4. ハンガーレール取付位置を罫書く。
  5.   ※アンカー打込み位置も一緒に罫書く。

  6. 建物に3分アンカー打込用の下穴を空ける。
  7. アンカーを打込み、ハンガーレールを取付ける。
  8. 電線管を持ち、ハンガーサドルで支持する。

ハンガーレール
ハンガーレール取付のイメージは、こんな感じです。

 

このようにハンガーレールを電線管支持点各所に取付け、ハンガーサドルで電線管を支持します。

 

それでは実際にハンガーサドルを使って電線管を支持している写真を交えて、その手順を解説します。

 

ハンガーサドル

これが実物のハンガーサドルで、左右で一対となります。
そのうちの片方には、雌ネジがあり、もう片方にはありません。

ハンガーサドル ハンガーサドルをハンガーレールに取付けるときは、ハンガーサドル本体を少し斜めにして入れる。
ハンガーサドル

左右入れ終わったら、付属のビスで締付ける。
複数の電線管を並べるときは、ハンガーサドルのビス方向を揃えること。

ショートタイプラチェットレンチなどを用いて
しっかりと締付ける。

 

電線管支持作業終了後が下の写真です。

 

ハンガーサドル

 

 

 

※電線管を締付けるときは、
  水平器などを使って、真っ直ぐになるように注意してください。
  水平、垂直がくるっていると、複数の電線管を並べて施工した際に、
  間隔がおかしくなり、手直しの対象となります。

 

このハンガーサドルのボルト締めには、この『ショートタイプラチェット』が便利です。
<br>ネグロス(NEGUROSU) ラチェットメガネレンチ MAK108のリンク画像です。
以上が、壁面に電線管を支持する方法です。

 

ここで紹介した物のほかにも、いろいろな部材があるので、現場に合わせてチョイスしてください。

 

これらの部材関連のメーカー、南電機株式会社の関連ページを紹介しておきます。

 

 

多くがネグロ電工の製品としてカタログに掲載されているもだし、施工方法も図解されているので参考になると思います。

 

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