埋設配管敷設作業 スラブ配管 (1)

RC造の埋設管敷設作業 (スラブ配管 1 )
RC造の建込み配管作業に続いて行うのが『スラブ配管作業』です。

 

その前に“スラブ”とは、何なのか簡単に説明しておきましょう。

 

RC造の建物での電気工事を行ったことがある方はご存知でしょうが、“スラブ”とは、簡単に言ってしまえば、各階の床部分のことです。

 

壁の建込みが終わり、その後仮枠大工さんが、ポストや鋼管などを使って、建物の床部分のコンクリート枠を組んだものを“スラブ”と呼びます。

 

この仮枠ができたところで、鉄筋屋さんがスラブ配筋を行い、その後電気や他の設備関係の配管を行います。

 

しかしその作業箇所は、足場も悪く危険が伴うので、服装にも気を使って作業に適した服装を心掛けなくてはなりません。

 

まあ、この辺は、どの現場でも同じなので、ご存知でしょう。

スラブ配管工事

冒頭にお話したようにスラブとは、各階の床部分のことですが、下階から見れば、天井部分になるので、
このスラブ配管では、下階の天井面の電気設備の配管を行います。

 

まずは、簡単なスラブ配管のイメージ図をご覧ください。
スラブ配管図
スラブ配管施工写真

 

実に簡単なイメージ図ですが、基本的には、八角ボックスから各機器への配管を行います。

 

同一回路の照明やコンセントなどのほかに、別回路の照明やコンセントなども八角ボックスを経由して配管を行うことも多く、八角ボックスは、中継ボックスやジョイントボックスとしても用います。

 

このほかに、エアコンなどの専用回路は、分電盤や配電盤などの取付位置から直接各機器へ配管することもあります。

 

作業手順としては、八角ボックスに必要な数のCD管やPF管用のコネクターを取り付けてから、下階の照明取付位置に固定し、その後、埋設配管の敷設を行い配管材を鉄筋に結束線で固定して完成です。

 

建込み配管時に立ち上げた配管材は、カップリングを使用して繋ぎ、最終的に敷設する位置に持っていきます。
この際、スラブ筋の間に通すことを忘れないでください。

 

スラブ配筋の上に出てしまうとコンクリート打設後、配管材が床面などに出てしまい、仕上げ作業の妨げとなるとともに、その後の作業での埋設管損傷などの危険も伴います。

 

埋設管が損傷すると、最終的なケーブル入線作業ができず、その埋設管に接続されている機器が使用不能となってしまい、不良電気工事となってしまうので気をつけてください。

 

また、スラブ筋の間に建込み配管を取り込む際は、仮枠に接触しないようにしてください。

 

建物の仕上げが、石膏ボードなどを使って行われる場合は、さほど支障はありませんが、RC打ちっぱなしの場合は、埋設管が露出して手直し対象となります。

 

このように埋設配管材敷設時は、コンクリート打設後の作業の流れや最終的な仕上げをイメージして適切な施工方法で行うことが求められます。

 

スラブ配管における注意点を紹介しましたが、次は、八角ボックスの固定方法について紹介しておきましょう。

 

八角ボックスを敷設する前に、図面上に示された取付位置をスラブ上で出し、その位置に八角ボックスを固定するのですが、その固定には丸釘を使います。

 

八角ボックスの耳の部分に固定用のノック穴があるので、そこに丸釘を打込んで固定します。
八角ボックス
言葉では簡単ですが、スラブ配管イメージ図でも解るように、八角ボックスを敷設するのは、スラブ筋の間なので、そのスペースは狭く、ハンマーでの打込みは、かなり困難です。

 

ここまで読まれた方は、
「打込むのが大変だったら、ビス止めにすればいいじゃないか」
と思われたのではないでしょうか。

 

しかし、それはご法度です。。。
なぜなら、コンクリート打設後の仮枠解体時に、解体ができないからです。

 

仮に、無理やり解体するとパネルが破損して、次の階で使えなくなるので、仮枠大工から、こっ酷く怒られることになるでしょう。
その点、丸釘だったら、簡単に抜けてパネルを損傷することもないので、八角ボックスなどの固定には、丸釘を使用するんです。

 

次は、フロアコンセント用ボックスの敷設方法を紹介します。

 

 

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