複式簿記の預金出納帳のつけかた

 

複式帳簿での預金出納帳の記帳

複式簿記で帳簿付けを行うとき必要な預金出納帳の記帳の仕方を覚えていただきます。
預金出納帳は、その名の通り、銀行預金でのお金の動きを記帳するものですから、さほど難しいものではありません。
基本的には、預金通帳のお金の出入りをそのまま記帳すればいいだけですから、通帳記入をこまめに行っておけばそれでほとんど記帳作業は終わったも同然だと考えていいくらいのものですので、ここはサラッといきたいと思いますので、早速預金出納帳の記帳についてお話させていただきます。

 

預金出納帳の記帳方法

預金出納帳とは、取引銀行の預金全てを記載しておく帳簿のことだと言う事は。お解かりだと思います。
では、どのように記帳していくのかと言うと、記帳内容は「日付」 「勘定科目」 「適要」「入金」「出金」「残高」この6点を記帳しておくものになります。
この内容は、預金通帳の通帳記入を行えば全てわかるものですから、そのまま転記すれば記帳は終わりです。
その預金と言うのは、「普通預金」「当座預金」「定期預金」「積立預金」など全ての預金が対象です。
また、帳簿は各銀行ごとに分けておく必要があるので、取引銀行の数だけ分けて記入してください。
このように一つの勘定科目の中でいくつかに分かれるものに関しては付箋などを使って、解りやすくしておきましょう。

 

それでは実際にどのように記帳するのかを預金が増えた場合からお話していきましょう。

 

複式帳簿の預金出納帳の記帳方法(1)

 

この預金出納帳を見ればわかると思いますが、念のため入金部分を薄い黄色でマークしておきました。
このように左から「日付」・「勘定科目」・「摘要」・「入金金額」・出金金額」・「残高」と記帳していくのですが、預金出納帳も仕分帳や他の帳簿と連動しますので、間違いの無いように計算して記帳することが大切です。
とは言っても、全て預金通帳に記載されているものですし、最初に仕訳帳で仕分を行っていますから、間違いようが無いですよね。(^^;)

 

次に預金が減った場合の記帳についてお話しておきます。

 

複式帳簿の預金出納帳の記帳方法(2)

 

預金が減った場合もわかりやすいように薄いピンクでマークしておきました。
預金が減った場合も増えたときと同じく、「日付」・「勘定科目」・「摘要」・「入金金額」・出金金額」・「残高」などを記帳していくだけですから、こちらもさして説明することもありませんよね。^^
そんな中でも少し注目していただきたいのが、「支払手数料」の部分です。
これは、上の「外注工事費・ユウ)△△」さんへの支払に対する振込手数料なんですが、中には振込手数料を相手方負担とする場合もあると思います。
この場合、振込金額は振込手数料を引いた金額を記帳し、振込手数料は別で記帳するようにしてください。
このあたりも、通帳記入するとそのまま打ち込まれてきますから、間違わないとは思いますが念のため。

 

そのほかに、自宅を事務所などで使用している場合には、個人名義で水道光熱費などの引き落としをされている場合があると思いますが、これは事業用に占有している部分と自宅として使用している部分の割合を計算して、占有部分のみ経費として計算します。
これを『按分』と言います。
ですから、全てが事業用として認められませんから、決算時には注意してください。

 

これで、預金出納帳の簡単な記帳説明は終わりです。
ここからは、少し余談になりますが、支払を振込みで行う場合、一般の銀行から振り込むよりもネット銀行から振り込むほうが、振込み手数料が安くなります。
ですから私は、事業用の振込みは全てネット銀行から行うようにしています。
先にも書いたように、振込手数料を相手方負担とする場合には、こちらの資金が多く減ることはありませんから、どこから振り込んでも同じなのですが、相手方のことを考えると、少しでも振込み手数料が少ないほうが喜ばれますし、こちらとしてもいつでも振込み手続きが出来ますから、時間的ロスも無くなり、振込みを忘れるなんてこともなくなると思います。
このように相手方のことも考えてお付き合いを続けていくのも一つの営業活動だと考えれば、いいんじゃないでしょうか。

 

預金出納帳は比較的簡単でしたが、これも仕訳帳や売掛・買掛・経費など他の帳簿と連動するのですから、記帳作業はまだまだ続きます。(>_<;)
このように一つの帳簿を付けるにしても、他の帳簿との整合性を確認しながらの作業となりますから、一つの項目としては簡単でも、すぐに終わると言うわけではありませんので、結局かなりの時間が掛かってしまうことに変りはありません。
ですから、簡単に帳簿が作成できて、正確なクラウド会計などを使用するほうが、賢い選択だと思いますので、みなさんもクラウド会計などの導入を検討してください。
貴重な時間を、帳簿に奪われないようにしてください。

 

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