分電盤結線図で各回路分けもできたので、電気設備の配置図に配線系統図を描いていきます。
もちろん各回路の配線系統図は、先に描いた分電盤結線図を基に描いていくことになります。
分電盤結線図で、表示した回路に見合う形で配線系統図を描かなくては意味がありませんので、分電盤結線図作成の際に考えて計算した回路容量を考慮して描いていきます。
配線系統図を描く際には、実際の電気工事の現場を想定して配線ルートなどを考えて描かなくてはなりません。
今回練習用に作成している電気図面は仮想の建物ですから、ある程度の配線ルートで描きますが、実際の電気工事の現場で使用する施工図では、PSなども考慮して実際に行う配線ルートで描かなくては他の電気工事士が工事をする際、勝手なルートで配線工事を行ってしまい後から問題になる場合もあるので、建物の構造や効率的な配線ルートを考えて描くようにしてください。
基本的には、PSや配線スペースなどを利用して立上げや引下げの配線を行いますが、そのスペースがない場合は、建築会社の担当者と協議の上、配線ルートを確保して電気図面に記入します。
では、今回描いた1階コンセントの配線系統図をご覧ください。
(画像クリックで拡大表示)
見ていただいたら解るように分電盤結線図で描いた回路分けで1階のコンセント回路の配線系統図が描かれています。
実際の現場作業を想定して、各回路をジョイントボックスで結線するように配線系統図を描いています。
キッチンの一部コンセントは渡り配線になっていますが、その時々で最善の配線方法を考慮すればいいことですから、実際の現場作業の際に変更しても構いません。
この1階コンセント配線系統図で注目すべきは下の画像の部分でしょう。
この部分は、2階へのコンセント回路の立上げと分電盤へ至る回路を示しています。
ご覧のように、⑧~⑩そして⑫の合わせて4回路が2階へ行くということです。
こんなことは、今更解説することもありませんが、中には「電気図面を書いたこともない」 という方がいらっしゃるかも知れませんので簡単に解説しておきます。
⑧~⑩、⑫は、分電盤結線の番号です。
そしてその下の「VVF2.0-2C×4 E1.6」は、VVF2.0-2Cのケーブルが4本、アース線が1.6を示しています。
つまり、VVF2.0-2C4本を2階へ立上げ、2階で各回路に振り分けるということで、E1.6はアース線の太さを表しています。
この部分は、1階、2階のコンセント配線系統図を見てもらえれば理解していただけると思いますので、下記画像より1、2階コンセント配線系統図をご覧ください。
(画像クリックで拡大表示)
ご覧のとおり1階、2階とも同じところから立上げ、引下げされています。
今回は、同じところから立上げ、引下げを行うように表示しましたが、1階と2階で位置が変わる場合もありますので、その際は現場の状況に応じて表示するようにしてください。
【小技】
配線系統図を描くときには、コーナー処理を『面取り』で表示するようにしましょう。
こうすることで、他の線と混同することなく読み取りやすくなります。
また、配線系統が重なる場合は、一部を消すか跨ぐ表示をするようにしてください。
消す表示方法 |
跨ぐ表示方法 |
こうした表示によって、別系統の配線であること示します。