経費の勘定科目の『租税公課』の記載内容を確認しておいてください。
『租税公課』は、各種税金や役所などで発行される書類の手数料などを記載する勘定科目です。
事業に関連する税金や各種公的書類の発行手数料などを記載しておく勘定科目ですから、事業用に使用している自動車税などさまざまなものがありますので、事業に関する税金などは、この勘定科目に記載するようにしてください。
『租税公課』とは、ウィキペディアの言葉を引用すると
「租税公課(そぜいこうか)は、租税及び、公的な負担金である「公課」を総称したものである。類似した概念に「公租公課」があるが、こちらは、租税のうち、法人税等を含まない。」と書かれています。
簿記に精通している税理士さんなどなら、この意味もすぐに理解できるでしょうが、一般の私たちには聞いたことも無いような言葉の羅列のようにしか見えません。
これをもっと簡単に言うと、「租税公課」とは、「租税」と「公課」が組み合わさったものと書かれているんです。
それでは「租税」「公課」とは何のことなのかですが
「租税」=国税や地方税のこと
「公課」=租税以外の公的賦課金のこと
この二つの意味を持ったものが「租税公課」という事ですので、先にあげたような各種税金や公的機関で発行される書類の手数料などが「租税」と「公課」にあたるという事です。
この勘定科目『租税公課』で扱うものは、税金や公的書類の発行手数料のほかに、収入印紙なども含まれます。
具体的にあげると次のようになります。
などがこの勘定科目『租税公課』として扱うものになります。
このほかに各地の商工会議所の会費や各種業者組合の組合費などもここに記帳します。
これらは全て『租税公課』として経費計上できます。
但し、あくまで事業用に使用しているものに限りますので、再三書いているように個人使用があるものについては、キッチリ按分してください。
上記で書いたように各種税金の納付や印紙、商工会などの会費、各種業者組合費などが租税公課として経費計上できますので、ここでその記帳のしかたを見ていただきたいと思います。
※個人使用分60%事業使用分40%と按分したものとして記帳した例になります。
二つの記帳のしかたを掲載しておきましたが、どちらの方式でもかまいません。
記帳内容としては同じものだと解釈されますので問題ありません。
税金の中にも租税として認められないものもあります。
公課として見られる賦課金に関しても認められないものがありますので、下の例をご覧ください。
これらは、租税公課としては認められません。
税金の関係はわかりますが、なぜ交通違反の反則金などを書いたかと言いますと、これらも「公課」の中の賦課金に相当するものだからです。
しかし、そもそもが交通違反などの違反行為が基となるものですから、交通ルールを守っていれば、支払わなくて良かった賦課金ですから「租税公課」の対象とすることができないのです。
平たく言うと、社会のルールを守っていればいいと言う事です。
尚、これらの税金などを支払った場合には、「事業主貸」として帳簿処理していてください。
収入印紙や証紙の取扱い方ですが、ここは少し面倒かもしれませんが、しっかりと覚えてください。
収入印紙や証紙を購入するときは「不課税」扱いとなります。
収入印紙や証紙を郵便局やコンビニで購入した場合は「非課税」扱いになります。
元々収入印紙というのものはどういう意味合いのものかを考えておく必要があります。
収入印紙や証紙というのは、自分が購入しても何の効力も発揮しませんが、領収書や契約書などに貼り付けて相手に渡して初めて効力を発揮して納税されたと考えるのが普通なのです。
ですから、購入した時点ではまだ課税対象ではないという事ですから、購入した時点では「非課税」扱いになるのです。
詳しくは、国税庁HPをご覧ください。
コンビニで200円の収入印紙を10枚購入し、そのうち1枚を領収書に貼り付けた場合の仕分例です。
上の仕分例では租税公課の後に「非」や「不」と書いていますが、本来は「非課税」「不課税」と書いてください。
このように、収入印紙や証紙は、購入した時点では「非課税」扱いで、領収書や契約書等に貼り付けた時点で「不課税」扱いとなりますから、領収書や契約書を渡した相手方も摘要欄に明記しておくことが大切ですが、ややこしいと感じると思いますので、購入した時点で「不課税」にしておいてもかまいません。
今回の場合は、まとめて10枚購入して、そのうちの1枚を使ったという状況でしたので、このように書きましたが、10枚まとめて「不課税」でも問題ありません。
個人で事業を行っている個人事業主の多くがそもそも消費税免税業者だと思いますので、ここまで深く考える必要もないかもしれません。
開業してから2年間はもとから免税業者扱いですから消費税を申告する必要もありませんし、納税することもありません。
また、前々年度の売上高が1千万円以下の場合も免税業者扱いとなりますので消費税を気にする必要はありません。
但し、前年上半期で売上高1千万円を超えた場合は、課税業者扱いになりますので、消費税区分もしっかり記帳しておく必要があります。
このように租税公課一つとってもさまざまなルールがありますから、日々の記帳作業は煩雑を極めることになり、余計に時間を取られることになってしまいますし、もし間違っていると年初から全て見直さなくてはならず、とても大変な作業となってしまいますので、私のようにクラウド会計を導入することをおすすめしたいと思います。
クラウド会計やその他の買取会計ソフトなどのほとんどは、仕分帳に記帳すれば、ほぼ自動で全ての帳簿が作成されますから、劇的に記帳に掛かる時間を短縮できますし、決算時期の会計もスムーズに行うことができますから、確定申告の時期が迫っても余裕で仕事に全力を傾けることがでるので、絶対おすすめです。
(開業前に知っておきたい帳簿のつけかた)は