減価償却のポイントを知っておこう

 

減価償却のポイントを知っておこう

 

会計処理で大切になってくるのがこの『減価償却』という処理です。
『減価償却』という会計処理は経費計算の中でとても重要な要素ですので、この処理を適切に行っておかないと税務調査の際に不適切な会計処理とみなされる可能性がとても高くなる項目の一つですので、しっかりとその内容を理解して適切な会計処理を行うようにしてください。
そのために知っておくべきポイントをまとめておきましたので、参考にしてください。

 

減価償却とはどういうものなのか

減価償却』とは、固定資産として購入したものが、使用する年数などで価値が減少する時に、購入費用を定められた耐用年数に応じて経費計上していく会計処理のことを言います。

 

最も一般的なのが自動車でしょう。
自動車などは、使用すればそれだけで物の価値は減少するものだという事は、みなさんご存知だと思います。
しかし、ここで言う耐用年数とは、購入した自動車を何年使うのかではなく、法律で定められた耐用年数のことですので、実際に使用する期間とは異なります。

 

この「減価償却」の基本となる考え方が「費用収益対応の原則」というもので、自動車などの価値が減少していくものの購入金額を収益を得るために使用する期間に応じて費用計上するという考え方に基づいて定められたものです。

 

簡単に言ってしまえば、購入金額を決められた基準で分割するという事です。

 

減価償却の計算方法

減価償却』を使用するときの計算方法としては主に以下の二つ計算方法が用いられます。
但し、個人事業主の場合は、「定額法」で計算するのが基本です。

 

定額法での計算方法

「定額法」は、購入金額を法定耐用年数で均等分割する計算方法で、一般的に最もよく使われている計算方法だと思われます。
簡単な例として、普通自動車を120万円で購入したときの計算方法を紹介すると下のような計算になります。
普通自動車の耐用年数は、6年と定められてるので、120万円を6年に分けて経費計上していくことになるので 【120万円÷6年=20万円】 となりますから、購入年度より毎年20万円ずつ経費として計上することになります。

但し、年度途中で購入したものに関しては、購入日からの経費計上となるので、仮に6月に購入したとすると、購入年度は6か月分を経費として計上することになるので注意してください。

 

定率法での計算方法

「定率法」での計算では、単純に購入額を耐用年数で分割するのではなく、定められた償却率で計算した金額を経費として計上し、処理を行っていく方法です。

 

定額法で紹介した普通自動車を例にすると、下のような計算になります。
定率法による経費計上では、まず最初に最低補償額というものを計算しなくてはなりません。
その計算に用いるのが、「減価償却資産の償却率表」になります。
この中の「保証率」という項目を耐用年数と照らし合わせて参照して計算しますので、今回の例の場合、耐用年数が6年ですから「保証率」は0.05776と導き出されます。
これを購入金額120万円に掛けて最低保証額を算定すると、69.312円となります。
これをふまえて、年度ごとの減価償却費を計算していきます。

 

1年目=120万×償却率0.417=500.400円これが購入年度の減価償却費として計上する金額です。
2年目=(120万円-500.400)×償却率0.417=291.733円
3年目=(699.600-291.733)×償却率0.417=170.081円
4年目=(407.867-170.081)×償却率0.417=99157円
5年目=(237.786-99157)×償却率0.417=57.808円(適用最低保証額 69.312円)
(5年目で最初に計算した最低保証額を下回るので最低保証額を適用して経費計上するのは、69.312円となります。)
6年目=(138.629-69.312)=69.317円

 

このように、法定耐用年数に応じた計算を行い年度ごとの減価償却額を算定していきます。
この「定率法」だと、購入期日から年度が過ぎるごとに減価償却費が少なくなるようになります。
逆から言えば、購入年度に近いほど減価償却費を多く計上できるので、購入したものが多く利益を圧迫するようなときには、この「定率法」で計上するほうが、より多く経費を経費計上できるので、税負担を軽減することができます。

但し、減価償却方法の変更には、管轄の税務署長へ申請書を提出して承認を受ける必要があり、
その期限は3月15日までですので注意してください。

簿記の中では継続性が最も大切ですから、最初に決めたものは継続的に続けるのが大原則ですから、簡単に変更するようなことは避けるようにしてください。

 

尚、耐用年数の確認は、国税庁HP 耐用年数表で確認してください。

 

一括償却資産での処理(10万円以上20万円未満のもの)

購入金額が10万円以上20万円未満のものについては、「一括償却資産」として処理することができます。
普通に「減価償却資産」として処理するか「一括償却資産」として処理するかの選択は納税するみなさんが自由に選択することができます。

 

この「一括償却資産」は、購入した日や法定耐用年数に関わらず、3年で経理処理を行う方法ですから、単純に購入金額を3で割るだけなので、計算がとても簡単にできるので、記帳作業も簡単に終わらせることができます。

 

少額減価償却資産の特例

青色申告者には、「少額減価償却資産の特例」という制度があり、取得金額が30万円未満の減価償却資産を、一括で減価償却費として費用計上することが認めれます。
この特例はその名の通り、青色申告者であることが前提の特例ですから、青色申告を承認されていない方が使うことは出来ません。

 

これで『減価償却』の簡単な説明は終わりますが、この減価償却は、細かく規定されていますので、適用できるのかについての疑問点などは、税理士さんもしくは管轄の税務署などで確認するようにしてください。
「これなら大丈夫だろうと」と勝手に決め付けて会計処理するのは危険です。

 


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