電気工事士は、電気工事士試験を受験する時に接地抵抗について勉強したと思います。
当然、その重要性も認識されていると思いますが、先に述べた接地の種類や接地抵抗計の使い方などを間違うと受電できないこともあるし、思わぬ感電事故を引き起こすことにもなりかねませんので、接地工事の方法も正しく認識し、適切な工事方法や材料を用いて求められる接地抵抗値を出さなくてはなりません。
しかし、どれだけ正しく認識して接地工事を行っても、その後の接地線の選定を間違ってしまっては、求められる接地の性能を発揮することが出来ないので、接地線の選定も重要だということを認識していただきたいのです。
接地線の選定が重要であることは、内線規定の中にも示されているので、この規定を確認して接地線の選定を行ってると思います。
電気工事における内線規定は、適切な電気工事を行ううえでの大切な指針だから、折に触れて必要な内容を確認することが大切です。
しかし、電気工事士さんの中には、幹線ケーブルの太さから、接地線の太さを選定してる方もおられるようで、細すぎる接地線を敷設している場合や、明らかに太すぎる場合なども見受けられます。
内線規定を確認しておけば、このようなことは無いのですが、日々の現場作業に追われて確認を怠っておられるのか、今までの経験で算出なされたのか、その辺は分かりませんが、太い場合は問題ありませんが、細すぎる場合は先にも述べたような感電事故につながる危険もありますので、重大な欠陥だと言えるでしょう。
でも実際のところ、一々分厚い内線規定を開いて接地線の確認を行うのも大変だと思うので、簡単に接地線の太さを算出する計算を紹介しますので現場作業に活かしてください。
AT×0.052=接地線最小太さ
とても簡単な計算です。
この計算式についても内線規定に詳しく解説されているので内線規定を確認してください。
仮に、対象となるMCBが150ATだとすると、
150AT×0.052=7.8
となり、接地線の最小サイズは、
8sq以上となります。
これだったら現場作業中でも簡単に計算して適切な接地線を選択することが出来るので私は、この計算式で接地線を選択しています。
でも「こんな計算をするのも面倒だ!」
という方もいると思いますので、ざっと計算した
早見表を掲載したので参考にしてください。
接地線サイズ早見表
※上記の接地線は、最小サイズなので施工の際は内線規定を確認し、安全を考慮して選定してください。
安全を考えると、1サイズ、2サイズ上のものにするのが望ましいと思いますが、工事代金との兼ね合いもあるので、むやみに太いケーブルにすることも…です…
その辺は、自身の判断にお任せします。