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エアコンの真空作業手順と注意点
前項で紹介したエアコンのフレア加工が終わり、冷媒管の接続が終わったところで行うのが真空作業になります。
地球のオゾン層破壊による紫外線量の上昇が叫ばれてから、以前のR-22フロンガスの使用が無くなり、現在のエアコンは、R410やR32と呼ばれる代替フロンガスが使用されています。
代替フロンガス使用エアコンは、取り付け説明書にも記載されているように真空ポンプ使用が、標準工事として指定されているので、省くことは出来ません。
エアコン取付工事の中でも、省くことの出来ない大切な作業ですが、なぜ真空作業は必要なのでしょうか。
先に述べたように標準取付作業手順として指定されているのは勿論ですが、真空作業を行うことで接続した冷媒配管内の湿度と空気を除去し、エアコンの心臓部であるコンプレッサーを守る意味があります。
この作業を怠ると、機械不良(コンプレッサー不良)の原因となり、トラブルの原因ともなりかねません。
また、故障によるメーカーサービスの際、設置不良による保証対象外とされる場合もあり、設置者にその請求がなされる場合もあるので、これまたトラブルの原因になる可能性が高いです。
それでは、真空作業の手順を紹介します。
真空作業に必要な工具は、
です。
上記の必要工具の確認は、エアコン取付に必要な工具のページで確認してください。
接続方法は、簡単なイラストで確認してください。
この画像は、ルームエアコンを例に接続図を描いています。
ちなみに、この画像は、JW_cadで描きました。
JW_cadを使えば、このようなものも簡単に描くことが出来ます。
接続方法は、画像のようにマニホールドを使用する場合は、
接続が完了したら真空ポンプを運転し、真空作業を開始します。
真空ポンプ運転後、『Lo』 バルブを開放すると
マニホールドのゲージが “0” 点から “-” 方向へ動きます。
“-” 方向いっぱいにゲージが動いたら、とりあえず真空になったということですが、ここで真空ポンプの運転を止めず、そのまま運転を続けてください。
運転を続けることで、冷媒管内の湿度が除去され完璧な真空状態を得ることが出来ます。
この作業は、冷媒管の配管長にもよりますが、一般的に10分程度と考えてもらえばいいと思います。
約10分程度放置した後、『Lo』 バルブを閉鎖し、真空ポンプの運転を止めてください。
この状態で、10分~15分放置します。
その後、マニホールドのゲージを確認し、ゲージが動いていなければ、これで真空作業は完了です。
仮にマニホールドのゲージが戻っている場合は、配管接続に問題があり密閉されていないということです。
前項のフレア加工で私の実例をあげておきましたが、あれが、まさにこの状態だったのです。
解決方法は、接続部分の確認を行い、問題のある箇所をやり直し、もう一度、真空作業を行ってください。
ご覧のように真空作業には、機械保護の観点と接続確認という重要な目的があるのです。
真空作業をしっかり行うことで機械トラブルを未然に防ぐことも出来るし、仮に他の原因でメーカーサービスを利用した際にも設置不良ということにならず、保証が適用されるので、トラブルになることもありません。
まあ、普通に手順を守って作業すれば、エアコンは問題なく設置できるということです。
あとは、エアコン室外機のバルブを開放して、試運転を行って完成です。