実践 電気工事 金属電線管の90°曲げ加工寸法
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電線管90°曲げ加工の寸法出しの計算
金属電線管を用いた配管工事は、紹介しているように
『ハイヒッキー』や『ロールベンダ』などを用いて
さまざまな曲げ加工を行います。
実践電気工事の中でも、曲げ加工について
『ハイヒッキー』や『ロールベンダ』の使い方を紹介していますが
みなさんからの検索結果の中で、
「曲げ寸法」や「曲げ寸法の出し方」などの検索項目が多く見られます。
そういえば、私の解説では、
曲げ加工を行う位置の寸法出しの方法と簡易的な寸法の出し方は紹介しましたが、
全体寸法を出しての曲げ加工における
寸法出しの方法を紹介していませんでしたので、
今回は、簡単な計算方法を紹介したいと思います。
90°曲げ加工の寸法出し
金属電線管を用いた配管作業では、
曲げ加工を行い、整然と配管を並べるものですよね。
曲げ加工に関しては、先に紹介しているようにしていただければ、
同一サイズの金属管であれば、すべて同じ加工が出来ます。
しかし、配管を施す現場は、
天井や壁などに支持材を用いて固定し、電路を形成しますから
曲げ加工を行って、
プールボップスやスイッチボックス等を繋がなくてはなりません。
それには、正確な寸法出しが必要ですよね。
極簡単な例で言えば、天井面から壁に配管を下ろし、
スイッチをつけるとすると、
中間には、90°の曲げ加工を行わなくてはなりません。
このとき、プールボックスなどから壁面の寸法を測っただけでは
曲げ加工を行った際に、実寸法より短くなり
接続することができなくなってしまいます。
当然、曲げ加工を行う分を計算して、
電線管の切断長さを調整しなくてはなりませんよね。
みなさんからの検索結果での
「曲げ寸法」や「曲げ寸法の出し方」などは、このことだと思いますので
早速、その計算方法を紹介しましょう(^○^)/
計算式は、いたって簡単ですから、まずは下の計算をご覧ください。
実寸法 + アール寸法 − 電線管外径寸法
E19の電線管を例にして
実寸法を1.000mmとして上の計算式に数値を入れてみましょう。
1.000 + 95 - 19=1.076mm となります。
この寸法が、E19の電線管を用いたときの1.000mmの寸法で
1.076mmは、必要電線管の長さです。
ここから、曲げ加工の始点分 190mmを罫書き、
曲げ加工を行えば、下の図のように、
90°の曲げ加工を行って、実寸法1.000mmとなります。
ここまでは、曲げの仕上がりまでの寸法でしたが、
天井面から壁面へ引き下げる場合は、
天井面から目標物までの実寸から
アール寸法114mmを引いた寸法が必要となります。
仮に引き下げ寸法も1.000mmだとすると
1.000 - 114=886mmですから、
先の1.076 + 886=1.962mm となります。
柄にもなく、小難しく説明しましたが、
こんなことを一々計算している電気工事士さんは、いませんよね。
多くの電気工事士さんは、曲げ加工について、
「経験」とか「勘」などとおっしゃる方が多いと思います。
電気工事士経験の浅い、新人さんなどが先輩に聞いても
このような答えが返ってくると思います。
しかし、その裏には、実に簡単な計算方法が隠されているんですよ(-- )
その簡単な計算をここでお教えしておきますね^^
電線管の場合、外径寸法の約10倍の長さで、90°曲げ加工を行えば、
問題なく曲げ加工を行うことができるんです。
今回ご紹介した、E19の電線管の場合、
外径寸法は、19.1mmですから、10倍すると191mmですよね。
これが、先に説明した、76+114mmの内訳ですから、
使用電線管が、E25であれば、25.4mmの約10倍の250mmと覚えておけばいいだけです。
これなら、間違うこともないでしょ^^
この方法で曲げ加工を行えば、
内線規定にも適合した、曲げ加工を行うことができますから、
官公庁などの公共事業の現場でも問題ありません。
曲げ加工に関する内線規定は、『3110−8 管の屈曲』を参照してください。
先輩の電気工事士さんは、このことをすでに知っているにすぎないんです。
もっと簡単にいってしまえば、電線管の呼び名の寸法を10倍すればいいだけです。
最後に、実際の現場で行う計算方法を紹介しましたので、
金属電線管の曲げ加工が初めてという方でも、
先輩方と同じように作業することができると思いますので、
がんばってくださいね(^_- )−☆
今回紹介した計算方法は、支持金具などは考慮していませんから
ハンガーレール等の支持金具を取付ける場合は、
その寸法を差し引いて計算してくださいね。
金属電線管の曲げ加工の手順につきましては、
をご覧ください。
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実践電気工事(配線と配管)
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