電気工事の中でも接地工事は非常に大切だという事は、電気工事士のみなさんならご存知だと思います。
そんな接地工事にもいろいろな規格があり、その規格に応じた接地工事の方法や材料があります。
大切な接地工事ですが、建物や設備に応じた接地の選定が必要となるけど、どのくらいの接地抵抗値を出せばいいのかが解らなくては、工事方法も使用材料も選定することができません。
そこで接地の種類と接地抵抗値を下記にまとめてみたので参考にしてください。
1350-1表 接地工事の種類とその接地抵抗値 | |
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接地工事の種類 | 接地抵抗値 |
A種接地工事 | 10Ω以下 |
B種接地工事 |
変圧器の高圧側又は特別高圧側電路の一線地絡電流のアンペア数で150(中略)を除した値に等しいΩ数以下。 |
C種接地工事 | 10Ω以下(低圧電路に電流動作形で定格感度電流100mA以下、動作時間0.2秒以下の漏電遮断器を施設するときは、500Ω以下とする) |
D種接地工事 | 100Ω以下(低圧電路に電流動作形で定格感度電流100mA以下、動作時間0.5秒以下の漏電遮断器を施設するときは、500Ω以下とする) |
(上記は内線規程より抜粋させていただいたものです。)
以上のように接地工事の種類はA~D種までの4種類となります。
この中で一般住宅に用いるのは、ほぼD種接地工事となります。
接地抵抗値は、100Ω以下と比較的ゆるく、必要な接地抵抗値を得るのは容易だと思います。
そして、電気工事士として行う工事の中でも頻繁に行うのが、A種接地工事です。
こちらは、高圧受電におけるキューピクルや電気室といった設備に対して行われることが多く、より安全性を求められる設備なので、求められる接地抵抗値も10Ω以下と厳しくなっています。
余談になりますが、新築時であれば銅板埋め込みなど、より接地抵抗値を得やすい工事方法の選択もできますが、既存の建物などでA種接地工事の値を得るのに苦労する場合もあります。
地下の状況により、20Ωくらいまでは接地抵抗値が下がっても、そこから先がなかなか落ちない・・・という事も、よくある話です。
こんな場合でも求められる接地抵抗値を確保しなければ、送電申請を行っても受電することは出来ないので、様々な工事方法を用いて10Ω以下に下げなくてはなりません。
多くの場合、アース棒を何本も打ち込むことになりますが、これが結構疲れる作業です。
多分、電気工事を行っている方なら、こんな経験をされている方も多いのではないでしょうか。
こんな辛いアース棒打込み作業を楽にしてくれる工具もあるので、興味があったら見てください。
今回、紹介した接地工事の種類の表は『内線規程』 から抜粋しましたが、電気工事を行うときに『内線規程』 が非常に大切なので、一事業所に一冊は、備付るようにしてください。
各電力会社用の内線規定を掲載してあるので、みなさんが主に電気工事を行う管内の電力会社のものを選んでください。
大まかに接地工事についてご紹介いたしましたが、ここで紹介した内容は電気工事士なら当然知ってることばかりだったと思うので、まさに“釈迦に説法”というか“孔子に悟道”というのか、見飽きて聞き飽きていることばかりだったと思います。
接地線の選定や接地工事に使用するケーブルの選択に役立つ情報は、下のリンクページで確認してください。