実践 電気工事 テスタの使い方
この表記は、景品表示法の通称ステマ規制に基づいて記載しています。
基本的なテスタの使い方
電気工事で使う計測器の中で、最もよく使うのがテスタでしょう。
電圧測定や抵抗の測定など、
電気的に重要な、基礎データを知るために用いるのがテスタです。
電圧確認は、電気工事士として、基本中の基本ですから、
電気工事完了後の送電前の分岐機器(分電盤)での電圧測定は、
必ず行わなければならない大切な確認作業です。
もし、100V機器に200V電圧を送ってしまうと、
接続されている機器は、破損して、使い物にならなくなってしまいますし、
逆に、200V機器に100V電圧で送電すると、
機器が作動することができず、これも使い物になりません。
このように、適切な電圧で供給するためにも、
送電前の電圧測定は、大切な作業ですから、
その測定方法を身につけておくことは、
電気工事士としての基本ですから、
しっかり基本的な測定方法を習得してください。
テスタとは
電気工事で用いるテスタにも、
いろいろな種類のものがありますので、
まずは、どのようなものがあるのか、ご覧ください。
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アナログテスタとデジタルテスタです。
このタイプのものは、みなさんも目にしたことがあると思います。
中学校の授業などにも使用されることがありますから、
小さい頃から、見ているんじゃないでしょうか?
一般的には、このタイプのものは、
電化製品の製造現場や、電気の基盤などを製作しているような
工場などで使われたり、家電の修理などの際に多く使われていますが、
電気工事の中では、あまり使われることはありません。
電気工事の場合、電圧、抵抗のほかに、
電流測定も行う必要があるため、
多くの電気工事士さんは、電流測定に必要な、
『クランプ付き』のものを使っています。
私もこのタイプの『クランプ付きテスタ』を使っています。
以前は、アナログ式の『クランプ付きテスタ』を使用していましたが
永年の使用で壊れてしまったので、デジタルのものに買い替えましたが、
使用してて、運転電流などの測定の際、
電流値の確認が容易で、とても気に入っています。
電気工事の場合、建物の電気使用量を測定するのに、
電流値を測定することが多いですから、
クランプメータは、無くてはならない機能ですから、
こちらのものを多く使用されているのだと思います。
3種類ほどテスタを紹介しましたが、
使用目的に応じて、適切なものを選ぶことが肝心ですから、
みなさんの使用目的に応じたものを選ぶようにしてください。
それでは実際の使用方法を紹介しておきましょう。
電圧の測定方法
テスタの使い方としては、よく知られているものですから、
今更、説明するほどのこともありませんが、
レンジの切替などを覚えておかないと、
正確な測定はできませんし、
何より、レンジ設定を間違って使用すると、
テスタ自体が壊れてしまいますから、
使い方を間違わないためにも、ご覧ください。
テスタを使用する際、最初に行うのが
レンジ設定です。
測定するものに見合った測定レンジを選択しなくては、
測定することができませんし、
はじめにも書いたように、
テスタ自体が壊れる危険性がありますから、
測定レンジを間違わないようにしてください。
私が使っているクランプ付きテスタの測定レンジは、
- (A) アンペアレンジ
- (V) 交流ボルトレンジ
- (mV) 直流ボルトレンジ
- (Ω)抵抗レンジ
の4種類になります。
まず最初に、交流ボルトレンジですが、
電力会社から供給される、低圧電気は、全て交流の電気ですから、
建物などの電圧測定には、このレンジを使います。
測定用指針を測定対象物のプラス側、マイナス側それぞれに当てるだけです。
すると下の写真のように、対象物の電圧が表示されます。
通常電力会社から供給される電圧は、
通称100Vの場合、95V〜105Vの範囲の電圧で供給されており、
通称200Vの場合、190V〜210Vの範囲で供給されていますから、
測定値が、この範囲内に収まってれば、正常だということになります。
電流の測定方法
電流測定に使用するのがクランプです。
測定対象物のケーブルに挟んで使用します。
このとき、測定レンジは、勿論(A)レンジです。
測定対象ケーブルの一線にクランプを掛けるだけで、
写真のように、流れている電流量が測定できます。
測定の際には、3線ある場合でも、2線の場合でも、
必ず、電圧側の1線にクランプを掛けてください。
まとめて、クランプしても測定することはできません。
電流測定をよく行うのは、
- 各回路の電流値の測定
- 建物全体の電流値の測定
- 機械やエアコンなどの運転電流の測定
などの場合です。
各回路の電流値の測定は、
ブレーカー遮断の原因究明の際などに行うことが多く、
ブレーカー容量を上回る電流が流れていないかの確認です。
建物全体の電流値の測定も、
主幹ブレーカーや電力メーターなどの許容電流内で
電気が使用されているのか確認するために行います。
機械やエアコンなどの運転電流確認の場合、
規定の運転電流で運転されているか確認する際に行います。
規定運転電流以上の電流が流れている場合、
機械不良などが疑われますから、原因を究明し、修理を行い、
規定電流値になるように改修しなくてはなりません。
このように、電流測定は、とても大切な作業ですから、
現場に応じて、しっかりとそれぞれの電流測定を行ってください。
抵抗値の測定に関して電気工事で使用する場合、
主に、導通チェックに用いることが多く、
そのほかは、あまり使いません。
直流電圧の測定に関しては、
最近では、太陽光発電におけるパネルから、
パワーコンディショナーへの一次側電圧を測定するときなどに用います。
ご存知だと思いますが、太陽光発電パネルで発電される電気は、
直流の電気ですから、入力電圧の測定には、
直流レンジを使用して測定しなくては、なりません。
そのほかには、非常照明などのバッテリー電圧などの
測定を行うこともありますので、
使用するテスタの取り扱い説明書を参照して、
測定方法を確認しておいてください。
三相200V動力回路の測定
ここまでは、単相回路の測定方法でしたが、
ここからは三相回路の測定方法を紹介しておきます。
あいにく、写真がありませんでしたので、Jw_cadで簡単なイラストを描いておきましたので、
それで、ご勘弁ください。
m(_ _”m)ペコ
まずはその簡単なイラストをご覧ください。
本当に簡単なもので恥ずかしいのですが。
(^。^;)
測定の手順は、ご理解いただけると思います。
画像で示しているように、(1)〜(3)のように順番に測定し、
全ての端子間で、210V前後の同一の電圧であれば正常です。
欠相があれば、その端子間では、電圧が出ませんのですぐにわかります。
三相の場合は、R、S、T間全てを測定してください。
単相で200Vを計測するときは、(3)のようにテスタの指針を端子に付けてください。
それで、200Vが計測されれば正常です。
次に、三相コンセントでの計測ですが、右の画像のように順番に測定していきます。
これは、端子で測定するのと同じです。
三相動力の電圧測定は、これで終わりですが、
送電前にもう一つ確認しておかなくてはならないことがあります。
それは、正相か逆相かです。
三相動力の場合、正相で動力機器に電気を供給しなくては、機器本来の動きをしませんし、そのまま放置しておくと、機械不良などを引き起こしかねませんので、このチェックは怠らないようにしてください。
そのために必要なのが、検相器と呼ばれる計測機器です。
因みに今私が使っているが下の画像の検相器です。
これは、非接触型ですから、
通電中の芯線や端子などに触れる必要がないので取扱が楽ですし、何より安全です。
テスタと同じように指針を直接接触させるタイプや、
ワニ口クリップのものもありますが、それよりはるかに安全ですし、
本体に磁石が付いているので、近くの鉄部に貼り付けておけば、
手を触れることなく、簡単に検相することが出来るので、
ちょっと高いんですが、これに買い替えました。
もしご覧のみなさんで検相器の購入を考えているんだったら、おすすめしておきます。
以上が簡単なテスタの測定方法でしたが、
いかがだったでしょうか?
「こんなのみんな知ってるよ(`ヘ´#)」
とお叱りをうけそうですが、
電気工事の基本として知っておかなくてはならないことですから、
あえて掲載させていただいております。
テスタ、絶縁抵抗計、接地抵抗計や
そのほかの電気工事に必要な工具などをお探しの方は、こちらをご覧ください。
電気工事の基礎
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