エアコン先行仕込み配管

エアコン先行仕込み配管
エアコン工事の中でも、少し難易度が高いのが、新築物件やリフォームの際に行う
エアコンの先行仕込み配管』です。

 

エアコンの先行仕込み配管での利点は、新築の壁に後から貫通穴を開けることが無いので、建物に傷をつけることが無く、見た目良く仕上げられる点です。

 

それだけに、当初の打ち合わせが大切で、施工にも、それなりの知識が必要になるので、このページを施工方法を覚える参考にしてください。

エアコン先行仕込み配管の方法

エアコン先行仕込み配管工事を電気工事士の中では、
仕込み』と呼びます。

 

この呼び方は、何もエアコンの先行配管だけでなく、一般的な配管工事における配管ルートの確保のためのアンカー打ちや、寸切りボルトなどの施工の際にも用いられます。

 

本来の目的の工事を行うための先行工事のことを総じて『仕込み』と呼ぶことが多いのです。

 

ですからエアコンにおいても先行配管のことを
「エアコンの仕込をする」などと言うことが多いのです。

 

実際に仕込み配管を行ったものを見てください。

 

エアコン先行配管工事(仕込み)1

 

エアコンの先行配管は、写真でもわかるように壁や天井が出来上がる前に行います。
この現場は室内をリフォームするため、エアコンの位置を変更する必要があったのですが、取り付け位置が無く、新しく作る壁に取り付けることになったのですが、ドレン勾配が取れないため、隠蔽配管で取り付けるように提案させていただきました。

 

冷媒管は天井内から壁に取り出し、ドレン配管は壁内を立ち下げ、土間に配管して屋外に出すようにしています。
こうすることで室内には、冷媒管もドレンも見えることなくスッキリと収まります。

 

冷媒管やドレン配管を取り出す位置は、室内機の左側から取り出します。
こうすることで、最終的に室内機を取り付ける際の配管スペースを確保することができます。

 

通常の取付であれば冷媒管やドレンは、室内機の右側にある貫通穴から屋外に出して接続しますが、隠蔽配管の場合、屋外で接続する作業を全て室内で行うことになるので、配管を接続して収めるスペースを確保するために室内機裏の配管スペースを利用します。

 

冷媒管は、左抜き施工と同じようにすればいいのですが、ドレンに関しては左抜きのようには、いきません。
通常の左抜き配管の場合、ドレンホースを本体側で左側に付け変えて取り付けますが、隠蔽配管の場合ドレン管との接続位置が壁内になるので、通常の方法では接続できないので、ドレンホースは右側のまま取付け、冷媒管と同じように室内機裏のスペースで接続します。

 

そのため、ドレン配管もそれに対応した配管をしておく必要があります。
冷房時のドレン水が流れると温度差によって結露が発生しますので、温度差を無くすためドレン管には保温材を巻いておきます。
エアコン先行配管工事(仕込み)2
この写真でわかるようにドレン管は、壁内から土間に出て、そのまま屋外へと出て、土間の横引き部分に対して保温材を巻いてあります。
写真の場合、ドレン管に使用しているのはVP20で、室内機への接続部分は、通常のドレンホースを使用しています。
エアコン先行配管工事(仕込み)3
なぜ途中からドレンホースにしてあるのかというと、少し長めにドレンホースを切り、VP管に突っ込んでおくことで、室内機取付け時に、接続部分の調整ができるので、より簡単に接続することができるからです。

 

ここまでが、先行配管の方法ですが、理解いただけましたか。

 

室内の工事が進み壁などができてくると、写真のような感じになります。
エアコン先行配管工事(仕込み)4
大工さんには、切り込みなどで手間をかけることになりますが、このような取付をせざるおえない場合もあるので、知識として知っておくと施工の幅が広がると思います。

 

これで、クロス屋さんがクロス(壁紙)を貼って壁が仕上がれば、室内機を取り付けて完成となります。

紹介した方法では、通常のドレンホースを使いましたが、この場合室内機裏の部分には保温処理が必要となります。
この処理が面倒な場合は、予め断熱ドレンを使用する方法もあります。そのためにはVP管との接続部分にVP管ジョイントが必要となるので、注意してください。

VP管ジョイントΦ14 接続詳細図
因幡電工(INABA) VP管ジョイント DSH-14-16Vのリンク画像です。 VP管ジョイントΦ14

ここで紹介した仕込みでの取付の場合、室内機接続位置は室内機裏になるので、接続作業時は室内機を浮かせて作業スペースを確保する必要があります。
その時に便利なものがあるので紹介しておきます。

エアーインフレーター

エアーインフレーター200㎏対応 2個セット

 

これを使えば、室内機を簡単に浮かせることが出来るので、作業スペースの確保が容易に出来ます。

この商品本来の使用目的は違うのですが、私はルームエアコンの左抜き取付けの時に利用しています。

 

エアコン工事に必要な工具をお探しならこちらをご覧ください。

 

電気工事に使う工具