墨だし作業の基本( 2)
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墨だしの基本(レベル編)
前回は、基準線と基準墨について、
お話しましたが、ご理解いただけましたか?
電気工事だけでなく、建築工事に携わる業者にとって
基準となるものですから、これを理解できなくては話になりません。
基準線と基準墨は、内装工事の最初に行う墨だし作業の基準ですから
これを理解して、的確に墨だし作業を行わなくては、
建物として完成されませんので、とても重要な作業であることは、
みなさんご理解いただけたものだと思います。
さて今回は、床、天井、土間などの高さを表す
「レベルライン」についてお話したいと思います。
これも、各機器の取付けや、外部配管や地中埋設管などの施工には、
必要不可欠な基準となるものですから、
みなさん、しっかり覚えてくださいね。
GL・FLとは
前回紹介した、基準墨は、内装工事の最初の段階で行う
地墨を出すために、使用するものですが、
今回、紹介する「レベルライン」は、天井、床、土間などの
仕上がり高さを示すものです。
電気工事を行っていて、建築現場に入ると、
壁に記されてるのを、みなさんご覧になってると思います。
内壁や外壁などに、描かれた、水平線がそれです。
天井、床、土間などの高さは、この水平線を基準に仕上げられます。
電気工事では、コンセントやスイッチ、
その他の機器の取付け高さを求めるのに用いたり、
外部露出配管の支持高さや、埋設配管の掘削深さを求めるのに用います。
先に紹介した、基本墨同様、とても大切なものであることは、
言うまでもありません。
この「レベルライン」を理解しなくては、
図面に指示された、取付け高さに機器の取付けが出来ず、
手直し対象となり、先にも述べたように、
手直し費用の請求などをされる場合も考えられますので、
ここも、しっかりと理解するようにしてください。
そんな、大切な「レベルライン」ですが、
表示方法によって、表す対象物が違います。
建築現場では、「GL」と「FL」の二種類が一般的です。
「GL」は、グランドライン(Grand Line)の略称です。
建物の建つ土地の表面の高さを指すもので、
建物の高さ関係の基本となるレベルです。
「FL」は、フロアライン(Floor line)の略称です。
床仕上がりの上面の高さを指すものです。
このほかに、「BM」ベンチマーク(Bench Mark)などがありますが、
「BM」は、建物に表記されることは無く、
敷地や建物の高さを出すときの基準点となる場所を示すものです。
この「BM」は、工事中でも撤去せず、動かないものを
「BM」として用います。
多くの場合、道路の縁石やマンホールなどを用います。
仮に、基準高さがわからない場合は、この「BM」点を基準に高さを求めます。
簡単に、「GL」「FL」の説明をしましたが、
実際にどのように表記されているのか、画像をご覧ください。
〔GL表記〕
壁面に表記されているのが「GL」墨です。
ご覧いただいて解るように、
GLラインから1.000mm上に「GL」墨が描かれていますので、
仮にGLラインから200mm上がりで
プールボックスなどを取付けるように指示されていれば、
この「GL」墨から800mm下げれば、
GLラインから200mm上がったところとなります。
逆に、2.100mmに指示されていれば、「GL」墨から、1.100mm上げれば、
GLラインから2.100mm上がったところとなります。
電気工事でGL墨を利用する際、土間仕上がりなども関係してきますので、
土間仕上がりの高さなども確認しなくてはなりませんが、
こちらは、平面図等に「GL+ 100」などと記載されていると思います。
〔FL表記〕
GL墨と同じく、壁面には、「FL+ 1000」と表記されています。
この「FL」墨から、1.000mm下がりが床仕上がりとなります。
電気工事における、コンセントやスイッチなどの取付けには、
この「FL」墨から追い出します。
※「GL」「FL」+のあとの数値は、任意のものですので、
現場によって、数値が違います。
一般的には、1.000mmで表されている場合が多いです。
このように、建築現場には、さまざまな基準墨がありますから、
これらの持つ意味を理解することが、とても重要だという事ですので、
それぞれが指し示す意味をしっかり覚えておいてください。
この基準墨の意味を理解することで、
簡単に、正確な位置を求めることが出来ますので、
最終的な、照明器具の取付けなどの位置だしなども
簡単に行えるようになるので、
レーザーを活用することも出来るので、作業時間の短縮にも役立ちます。
実践電気工事(配線と配管)
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