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電線管のS字曲げ加工
ハイヒッキーとロールベンダーを使った90°曲げ加工の方法を紹介しましたが、今回は違う経路への変更やボックス接続時に必要な
『S字曲げ加工』の方法を紹介します。
90°曲げ加工も金属管の配管では頻繁に行う作業ですが、今回紹介する『S字曲げ加工』も頻繁に行う作業の一つです。
『S字曲げ加工』は、スイッチボックスへの接続や高さの変更、経路の変更などの際に行う重要な作業なので、電気工事士として必須の加工技術なので、しっかり身に付けてください。
ここで紹介する『S字曲げ加工』は、冒頭でも書いたようにスイッチボックスや経路変更、高さ変更などの際に用いる曲げ加工です。
当然、それぞれのS字曲げ加工の寸法も違うし、S字曲げ加工完了後の変更寸法も変わってきます。
スイッチボックスなどの接続する場合は、小さなS字曲げ加工が必要だし壁の出っ張りなどをよける場合には、
出っ張り部分の寸法分だけS字曲げ加工を行い、避ける必要があるので、自ずと曲げ寸法も大きくなります。
しかし、基本的なS字曲げ加工の方法としては、大きさや高さが変ろうと基本的には同じなので、ここで基本的な考え方と方法をしっかり練習してもらえば、明日からの金属電線管作業に活してもらえると思います。
それでは『S字曲げ加工』の寸法出しを行っていきましょう。
まず最初に、下の図をご覧ください。
これは曲げ高さ10mmの場合の『S字曲げ加工』の寸法です。
アウトレットボックス中浅などへの接続の場合は、この寸法で接続できます。
また、そのほかボックスやユニバーサルなどへの接続の場合は、適時計測してS字曲げ加工を行ってください。
それでは、実際にS字曲げ加工を行ってみましょう。
まず最初に、図で示したように、S字曲げ寸法を罫書きます。
始点(A)とS点を合わせて電線管をセットする。
左手でベンダーヘッドを持ち、右手で電線管を持つ。 | |
ベンダーを前に押し出しながら、同時に電線管を下方向に下げる。 |
曲げ角度は、7~8°とする。
電線管を180°回転させ、終点(B)にS点を合わせる。 |
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ベンダーを前に押し出しながら、同時に電線管を下方向に下げる。 |
始点(A)と同じ角度で曲げ、S字10mm上げの完成。
最後に、ハンガーレールなどの真っ直ぐなものに沿わせて、
曲げ寸法の確認を行う。
これで10mm上げのS字曲げ加工は、完成しました。
このS字曲げ加工での注意点は、始点(A)を曲げた後、180°回転させ、終点(B)を曲げる際に、ねじれないようにすることです。
少しでも、ねじれていると、目的の位置に電線管の先端が行かず、その後の接続作業が行えなくなりますので、注意してください。
ここまで、ボックス接続などを行う場合の小さなS字曲げ加工を紹介しましたが、実際の現場作業では、もっと大きなS字曲げ加工を行うことも多いので、
大きなS字曲げ加工の寸法出しを紹介しておきましょう。
下の図をご覧ください。
この図で示したとおり、角度30°で、100mm上げるのであれば、始点から終点までの長さは200mmとなり、150㎜上げるのであれば、始点から終点までの長さは300mmとなります。
つまり角度30°でS字曲げ加工を行うのであれば、曲げ寸法×約2倍で計算すれば、始点から終点までの長さが計算できます。
この計算から導き出した寸法に基ずき、
上げ寸法50mmのS字曲げ加工を行ったものを掲載しておきますので参考にしてください。
角度45°のS字曲げ加工を行う場合は、
曲げ寸法×1.4倍で計算してください。
後は、普通にS字曲げ加工の手順で行えば、思い通りのS字曲げ加工が出来上がります。
曲げ角度が大きい場合、一気に曲げてしまうと電線管が潰れてしまい仕上がりも悪くなるし、何より入線作業が出来なくなる可能性もあるので
曲げ角が大きい場合は、数回に分けて曲げるようにしてください。
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