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T型コネクタ用圧着工具
さてこれまで、リングスリーブや圧着端子の接続に必要な工具などを紹介してきましたが、電気工事におけるケーブル相互の接続や、分電盤、配電盤、制御盤、そして機械への接続など、いろいろな場面で行う、圧着端子での接続ですが、今後電気工事の内容が変わったとしても、電気工事士として絶対必要な作業なので、無くなることはないでしょう。
それだけに各種の圧着・圧縮工具は必要不可欠な工具だといえます。
ここまでは、端末など切断されたケーブルを繋ぐためのスリーブや圧着端子でしたが、ここで紹介するのはそれとはまったく違って、ケーブルの途中で繋ぐためのものです。
これも、電気工事ではよく行う作業ですから、しっかり見てください。
日々、いろいろな現場で電気工事を行っておられる電気工事士さんならT型コネクタは、ご存知だと思います。
もしかするとご存知でない方がいらっしゃるといけませんので、T型コネクタを紹介しておきます。
これが、T型コネクタになります。
これまで、紹介してきたリングスリーブなどと違って、形としてはC型のコネクタです。
では、C型なのになぜ『T型コネクタ』というのでしょうか?
『T型コネクタ』という名称は、形状を現すものではなく、その接続状況を表しています。
これまでのリングスリーブでは、直線(B)や、重ね合わせ(P)などの圧着でしたが、この圧着方法は基本的に、ケーブルを切断して行いますが、
『T型コネクタ』の場合は、ケーブルを切断することなく、別のケーブルを繋ぐ方法です。
例えば、アースの母線を配線しておいて、中間で別の機械や配電盤などにアースが必要な場合、母線に余裕が無ければ、重ね合わせて圧着することはできません。
また、Bスリーブを使って直線で繋ぐにしても、片線側だけケーブルが2本になるので、片側が圧着不良になる可能性があり、電気工事の目的である、安全な電気の使用という最も重要な点で欠陥になってしまいます。
ケーブル接続の基本は確実な圧着ですから、接続部分に無理な力がかかったり規格外の接続を行うことは、電気トラブルの原因となり非常に危険ですから、絶対に行ってはいけません。
このように、PやBのスリーブを用いて分岐することが困難な場合に『T型コネクタ』を使用すれば、先に述べたような問題も発生せず、確実な接続が可能なのです。
『T型コネクタ』をご覧いただければ解るようにC型になっているので、中間分岐する場合の母線となるケーブルの接続箇所の被覆を剥き、分岐用のケーブルをそこに沿わせてT型コネクタをセットすれば、母線を切断することなく中間分岐が可能になります。
極端な例をあげれば、建物の端から端までアースの母線を配線しておいて、その後必要な箇所で中間分岐を行うことで何度も同じところに配線せずとも、簡単にアースを取ることができるので、無駄な作業を減らすことができて作業効率もよくなります。
便利な『T型コネクタ』ですが、その圧縮には、これまで紹介したものではなく、専用の工具が必要になるので、私が主に使っているものを紹介しておきます。
必要なサイズのダイスもセットになっているので、細いケーブルから、そこそこの太さのケーブルにも対応できるので、一番よく使っているものです。
圧縮状態は下記の画像のような感じです。
圧縮箇所は、T型コネクタの大きさにより異なるので、使用する大きさにより規定されている圧縮箇所を確実に圧縮するようにしてください。
また、分岐ケーブルの切断側は、圧縮時の返りが無いように圧縮後、ペンチやウォーターポンププライヤーなどを用いて成形してください。
この作業を怠ると、絶縁処理を行った際に、
テープなどを突き破って、絶縁不良の原因となるので、ここは、手を抜かずにしっかりと確実に行ってください。
このほかにも、ハンドプレスタイプや電動式、油圧式などのものもあるので、接続するケーブルの太さや作業量などを考えて、適切なものを選ぶようにしてください。
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この適合表は、泉精器製作所HPより抜粋させていただきました。
電気工事士のみなさんにはお馴染みの会社ですから、泉精器製作所の製品を使っている方も多いと思います。
電設工具での信頼性も高く、多くの電気工事士さんから信頼を得ている会社ですから、私も、いろいろな工具を使っています。
余談になりますが、泉精器製作所はマクセルと合併して今は、マクセルイズミという社名に変わっています。
厳しい世の中になりました・・・